スカウトコンサルタントとの対談

LinkedIn に登録していると、断続的に転職エージェントからメールがくる。基本的に転職エージェントからのメールは全て無視していて、ダイレクト・リクルーティングのときだけ、(興味があれば) 会ってお話するようにしている。

たまたま時間があったから、(転職の意志はないと告げた上で) 人材紹介会社のスカウトコンサルタントと会ってお話してきた。あえて「スカウトコンサルタント」と区別して書いたように、転職エージェントは転職を目的としたサイト (LinkedIn とか) 経由でやってくる担当者を指していて、スカウントコンサルタントはちょっと別扱いという意図で私は区別している。というか、その担当者と会って話してみて区別しようとそう思ったので区別してみた。

スカウトコンサルタントに会うことにした動機はとてもシンプルだ。

私の個人メールアドレスに直接スカウトのメールが届き、どうやって私の個人メールアドレスを入手したのかを単純に尋ねてみたかった。実際に会って聞いてみたところ、ネット上でいろいろ調べて見つけましたと言う。鞄の中から紙に印刷した、ブログ、twittergithub、技術系サイトに寄稿したレポートなどが出てきて、本当にいろいろ調べていた。ある意味怖かったw

あるキーワードで検索して出てきた人物の中から、さらにその人のキーワード (ハンドルネームとかかな?) で検索して、情報収集したのだと言う。まさに地でネットストーキングして、その中のどこかにメールアドレスを見つけたので直接メールしましたとのこと。逆にスカウントコンサルタントからは、それらの情報にはどこの会社に勤めているのか分からなかったので教えてくださいと質問を受けた。

そこまでして調べたんだと分かったら、へーって感心してしまって矢継ぎ早に次の質問が頭に思い浮かんだ。

「1人1人そんなことして探していたら、すごく労力がかかって大変じゃないですか?」
答えもすごくシンプルだった。

はい。すごく大変です。そうでもしないとクライアントが求めている人材を見つけられないんです。

これは転職サイトが機能不全に陥っているのを如実に物語っているようにも受け取れた。ダイレクト・リクルーティングが流行り始めるわけだ。

私の勤め先を把握していなかったことから、そのスカウントコンサルタントは私の LinkedIn を見つけられていなかった。曰く、LinkedIn もある種のバイアスがかかっていて、登録者は転職エージェントからのスカウトメールに慣れていて、ほとんど無視されるから使わないのだと言う。まさに冒頭に書いた私のような人がほとんどなんだろう。

もともと転職の意志はない上での情報交換という名目で会ったのと、メールアドレスの漏洩先がどこか?というのが懸念が解消されたのもあり、普通に打ち解けて求人企業の話をしたり、私の知っている業界情報を話したり、ギブ&テイク的にやり取りして結構おもしろかった。

見ず知らずの人をネットストーキングして、自分の人材 DB を構築していって、タイミングを見計らって転職を促すという、スカウトコンサルタントは大変なお仕事だなぁと素朴に思った。なんというか、相当に再現性の低い、人依存の、運任せの業務だ。1時間半ぐらいお話ししたんだけど、一期一会というか、人に会うことから学ぶことは多いと普段の人見知りな姿勢を反省したりもした。