クレーム対応

サポートの問い合わせも trac のチケットに登録されるようになっている。開発者も問い合わせに対する技術的な仕様や対応方法をコンサルの担当者へ伝える必要があるので、日々問い合わせチケットに目は通すようにしてる。

その中でお客さんが怒りだして上司連れて報告に来いみたいな展開になっていた。やり取りしているうちに徐々にやりたいことがプロダクトから離れていって、担当者がのらりくらりとしているうちに癪に障ったようだ。客観的にみてどちらが悪いというよりは本質からどんどんずれていって、話がちぐはぐになっていった感じだった。

サービス業なのでお客さんが怒ることはちょくちょくある事だけど、その後の社内のコメントのやり取りが興味深かった。そのクレームに対応していた担当者を責めることもなく、それぞれ個々人の考えや、どうすれば良かったのかといったアドバイスなどが寄せられた。普段コメントしない人たちも一言入れたりして、みんなチケット読んでるんだなーって思った。是非はともかく、担当者としてはお客さんを怒らせてしまったわけだから多少なりともショックはあるだろうと思う。そんなときに周りがフォローしてるのを見て良いことだなと何気に思った。稀なことだから単に興味を引いただけかもしれないけど。

少し昔のことを思い出した。私も昔、SIer で流通業向けのサポートをやっていた。SIer の技術レベルは低かったし、お客さんのリテラシーはもっと低かった。電話で怒鳴られることもあったし、クレームを上司や先輩に報告しても、上司や先輩からも怒られることもあった。

(報告はもちろんするけど) どうせ怒られるんだから、自分一人で何とかするしかないというのが自然とその職場の雰囲気だったし、なるべく他所のトラブルには関わらないようにしようという感じもあった。あるとき同僚が「本当の意味でみんな誰も信用していない」といったのが、妙に納得感があって笑えたぐらいだ。

若いときにそういう欺瞞は結構がっかりするもので、業務へのモチベーションや周りに対するチームワークにも影響を与えると思う。その SIer では基幹システムの運用という SLA もいまの職場よりはずっと高かったために厳しかったというのも考慮する必要はある。それでも、いまの職場と比べて、業務への取り組み方やチームの在り方で見劣りするものがあったように思う。

マッチョだけが生き残る職場ではなく、人を育てるというか、勝手に育つような職場にはそれなりの理由があるようにちょっと思った。