怒濤

お仕事

金曜日から怒濤の展開の経緯を書く。人生はいろいろあるなぁ。

契約更改

午前中に社長と契約更改のお話。

冒頭に7月末で辞めると伝えた上で1つ提案した。

あと3週間でモックを作っても、Python プログラマーを雇うのは他のプログラミング言語より難しい上に、Pyramid + Kotti の開発経験をもつプログラマーは日本では皆無だろう。普通のプログラマーだと (おそらく) 作り直すだろうから、もう止めないかと。7月末までの業務委託契約を破棄して今日か、来週いっぱいで辞めたい。ひいては違約金を払っても良いし、6月/7月の2ヶ月分の報酬もいらないと伝えた。社長は報酬は払うと言ったが、開発の成果物を出せないのだから受け取りたくないと伝えた。

会社から見たデメリット

  • 引き継ぎできない開発資産が残るだけ
  • 開発経費がかかる

私から見たデメリット

  • 3週間で開発できるモックの品質を担保できない (2度も開発を中断して他の作業を手伝ってモチベーションがズタズタ)
  • 契約のためだけに開発するという時間の無駄

お互い何のメリットもないから止めようという提案をした。社長は少し長考して、無駄になっても良いから7月末まで開発をしてほしい、そして8月以降は開発限定の契約で、フルタイムでなくても良いから引き続きやってもらえないかと提案してきた。驚いた。私もそういう気概は嫌いじゃないので、ちょっと考えてみるという返事をした。

自分の中で、もう一度、開発のモチベーションを練り直して土日も使ってやろうと思い、今月の土日の勉強会の出席を全てキャンセルした。

ここまではこれから起こる惨事の予兆すらなかった。

顧客とのプロジェクトミーティング

ヘルプの、Winows Server テンプレート作成や不具合調査、ドキュメント更新をいつも通りやっていた。私はプロジェクトのスケジュールや状況をあまり知らなかったので、自分の担当している作業が本当は先週末で終わっているはずの作業だとは知っていたけど、普通に遅れているだけだと考えていた。

プロジェクトメンバーの近くで作業をしていたら、いつの間にか、顧客がやってきてプロジェクトミーティングになった。金曜日の21時頃だったと思う。Linux/Windows のテンプレートの作成作業はどうなっているのか、進捗を確認する会議だ。今週一週間、私が Windows Server のテンプレート作成という作業をやっていたため、顧客の前で私が担当者みたいな雰囲気になって、作業状況と検証状況を説明させられた。

そもそも私は作業手順しか知らないので、テンプレート作成後の検証方法は知らないし、作業そのものも手順書の不備やプログラムのバグでまともに作業できるレベルではなかった。それを1週間かけて不具合の調査、作業手順の修正をやっていただけだ。さらにその場で顧客から作業手順の抜けや漏れの指摘もいくつかあった。

顧客は月曜日が本番リリースだから、いまの作業手順書を使って土日にテンプレート作成と検証を自分たちで始めると言い出した。間違いなくまともに動作しないことは分かっているが、月曜日リリースなら土日に作業するしかない。で、土日に何かあれば問い合わせをするから担当者をアサインしろという話になった。私しかいないので空気を読んでやることにした。金曜日の夜中に抜けや漏れの作業手順を追加して、それから問い合わせ対応のために日曜日までずっと泊まり込むことになった。

説教

久しぶりに怒った。

そもそも3日間のヘルプだけのはずが、土日も潰して24時間体制の問い合わせ対応の担当者になってしまった。今いるメンバーの中で Windows Server のテンプレート作成作業をやってた私が問い合わせを受けるしかないだろう。日報に状況説明と金曜日から泊まり込む旨を報告して、最後に「8月以降どころか二度とこの会社とは契約しない」とまで書いた。

翌日の朝に社長が来て謝罪してきたが、その際に社長が問い合わせ対応を代わると言ってきた。徹夜で作業して腹が立ってたから「できもしないのに適当なことを言うな」と一喝して、マネジメントの在り方とかを社長に説教した。

問い合わせ対応

土曜日の午後から夜通し日曜日もずっと顧客は作業していたようだ。問い合わせの電話も数本かかってきて分かる範囲で対応していた。そんなときに MacBook Pro が壊れた。運用対応中に本番環境の画面が見れない。それからは画面イメージを想像しながら回答を返していた。誤答もあって後で訂正して謝ったりもした。

日曜日に銀座のアップルストアへ行って MacBook Pro の修理 (メイン基盤の故障で5万円ぐらいかかる) 、予備機として MacBook Air の購入 (凄い快適) してきた。日曜日も社長がやってきて、実作業はできないが、顧客の問い合わせ窓口になるからと間に入ってくれたので随分と楽になった。

土日の2日間、私が説教して、その後に J 氏が相当に説教したみたいでかなり応えたみたい。いまは社長がプロジェクトの前面に立って、メンバーを問い合わせや激務から守るように動いている。改心したみたいだ。極めつけは、今日、メンバーの派遣社員さんがたくさんの問い合わせに参っていたのを見かねて「労務上の問題が発生しているから彼には直電するな。」と顧客へメールを送りつけて驚いた。でも、本番リリースに作業が全然追いついてなくて、トラブルだらけの、圧倒的に当社がビジネス的に責任を果たしていないこの状況でそんなこと言って本当に大丈夫なんだろうか。

引き継ぎ

今朝から新しい派遣社員さんがやってきて、私の作業を引き継いでくれるようだ。他のメンバーの工数を割かないように、引き継ぎ作業は私が対応するけど、これで開発に戻れるようになった。土日休めず、MacBook Pro は壊れるし、開発のモチベーションは絶望的だけど、まぁ問い合わせと障害対応に追われることはなくなった。

まとめ

昔、読んだブログの記事を思い出した。

そして、あぁそうか、いまの自分は社会人としての責任を果たすために奮闘しているんだという自覚が持てた。何だかそれも、ちょっとだけ、本当にほんのちょっとだけなんだけど、嬉しかったのかもしれない。

社会人のみなさんの大半は、こうした難問に遭遇しないで一生が終わります。そして、そうですね、九割がたがは社会的に無名で終わるでしょう。普通の社会人というのはそういうものです。
 でも、そうした社会人の誰かは、「えええ?私がぁ?」と難問を突きつけられる状況になります。たまに想像はしてみましょう。そうした人を支援しましょう。
 というか、そういう無名の社会人が困難な状況のなかで「公」を支えてくれるおかげで、私たちは生きていけるわけです。みなさんの、誰かもそうなります。
 だから、いつも思うのです、ありがとう。

4月から新社会人になる皆さんへ: 極東ブログ